今回は制作現場での思い出をご紹介いたします!
『ナルティメット』シリーズの制作現場では常にテレビアニメの映像が流れ、開発者の席には原作コミックスが並び、それらの内容について開発者同士でよく談義がなされていました。「なるほど!コミックスのあの場面は、アニメではこの様な演出にしたのか!」と演出の話題で盛り上がったり、「このレイアウト超カッコいいぞ!」とゲームに取り入れるためにどうするかで議論したり、一般のオフィスと比べると、ゲーム会社の制作現場はとても賑やかだと思います。
そんな賑やかな制作現場で、誰もしゃべらない異様な光景が広がった事がありました…。それは、『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム2』を制作していた時のことです。
その日は、スタッフよるイベントシーンのチェックが行われていました。参加者は皆真剣な表情で、「ここはこういう風にして盛り上げよう」「腕を振った時にもっと迫力出るようにこの様にしよう」など演出をより良くするため意見を活発にやり取りしていたのですが、チェックが進むにつれて皆言葉数が少なくなり、果てには誰もしゃべらなくなりました。
その時チェックしていたのは「自来也の最期」のボスバトルとイベントシーンだったのです。
チェックが終わっても皆沈痛な面持ちで「自来也の最期」の余韻に浸り、中には感極まって目に涙を浮かべるスタッフもいました。
このチェックの後も、窮地に陥っていく自来也をどう描くか、自来也の覚悟をどう描くのか、ユーザー様にどうプレイして頂くとそれらが伝わるか、考えて考え抜いた結果、完成したものがコレです!
ボスバトル後半で見事ペイン畜生道を倒す自来也!!かっこいい…
<動画1>自来也VSペイン イベントシーン1
しかし復活するペイン六道!自来也に窮地が迫る!!
<動画2>自来也VSペイン イベントシーン2
どんなにあがいてもピンチに陥っていく自来也をプレイ!
このボスバトルの自来也のモーションは全て専用で、ダメージを負うごとに動きも変わっていくので非常に多くのモーションを作成しました。
<動画3>自来也VSペイン ボスバトル1
さらにダメージを負い、絶望的な状況に…
視界がかすみ…画面自体もぼやけていく…
<動画4>自来也VSペイン ボスバトル2
絶望のまま終わったかに…見えたが!!!
ここからの熱い展開の表情や動き、非常に苦労しました!
<動画5>モデルの上にラインを乗せている画面1
手描きに見えるこのシーンは、全部モデルの上にラインを乗せています!
<動画6>モデルの上にラインを乗せている画面2
<画像7>モデルの上にラインを乗せていることが分かる開発画面
チェック中にスタッフがしゃべらなくなった気持ち、少しは伝わったでしょうか?
今回は1つのシーンをご紹介しましたが、どのシーンもスタッフは気持ちを込めて作っています!
是非、他の名シーンがゲームでどの様に表現されたかを、ご自身でプレイして確かめて頂ければと思います。
ありがとうございました!