『ストーム』シリーズの3作目。『NARUTO-ナルト-』の追体験ができる「アルティメットアドベンチャー」モードの舞台は、いよいよ第四次忍界大戦へ!さらに、ボスバトルではユーザー様自身が展開を選べる新要素「究極の決断」を加え、よりゲームならではの追体験ができるようになっています!
また、『ストーム3』のスペシャルダウンロードコンテンツでは、ディレクターズカットとしてより鮮明に、よりリアルに進化したイベントシーンを堪能できます。さらに「断章・真伝 うちはの兄弟」の物語やボスバトルも体験でき、ボリューム満点の内容です!
今回は映像演出の観点から『ストーム3』を紹介させて頂きます。
演出において“間”は重要な要素の一つです。 “間”が適正に取れていないと、シーンが台無しになってしまうこともあります。その“間”を考えに考え抜いて作成したのが、「アルティメットアドベンチャー」モード冒頭のクシナとミナトが話しているシーンです。
<画像1>イベントシーン クシナ目線のミナト 動画
ここでは、闘いで傷つき、絶体絶命の中でもあきらめないミナトをクシナ目線で表現しました。そのために、何回も台詞を聞き、何度も台詞の間を調整しました。ただ、あくまで担当者の感覚で間の調整がなされますので、担当者が納得のいく状態まで仕上げた後、他のスタッフにも確認してもらいます。
こうすることで、担当者では気づけなかった問題点や違和感を発見できるのです。この過程を踏むからこそ、ユーザー様の心に響くイベントシーンができると思っています。
次に、イベントシーンのモーションについてお話します。
限られた箇所ではありますが、モーションキャプチャーで収録したモーションを会話シーンに使用しています。「アルティメットアドベンチャー」モードの物語は長編ですので、そのイベントシーンには膨大なモーションデータが必要でした。その膨大なモーションデータ作成を実現させるために、『ストーム』シリーズで初めてモーションキャプチャーを導入したのです。そのおかげで効率が上がり、なんとかすべてのモーションデータを用意することができました。
<画像2>「待っててねぇ、ラーメンちゃん♪」と言いながら小躍りするナルト 動画
<画像3>忍同士が争っている場面 動画
<画像4>ミフネの奥義 動画
ここで、少し脇道にそれますが、独特な演出ということで、ミフネの奥義をご紹介したいと思います。
「和」の雰囲気を前面に出した『ストーム』シリーズの中でもかなり特徴的な奥義です。ポストエフェクト(※1)と呼ばれる画面効果で全体的な色味をモノトーンにしており、顔に使っている墨の表現は、専用のテクスチャを顔に沿って配置しているという力技で表現しています。
※1 3Dを描画した後に行う画像処理。画面上の色を変えたり、光を強めたり、画面を歪ませたりといったような効果を加える。
<画像5>墨の専用のテクスチャを顔に沿って配置している開発画面
最後にご紹介するのは、『ストーム3』のスペシャルダウンロードコンテンツとして配信されたサスケとイタチの物語「断章・真伝 うちはの兄弟」になります。
この物語のボスバトルにおいて、イタチが「イザナミ」という幻術を使うのですが、この幻術の効果を演出面でも表現しました。まず、「イザナミ」発動後のシーンのボイスには、エフェクトをかけて幻術にかかっている感じを音で表現しました。さらに、画面に揺らぎを入れてカブトが幻術にかかってしまったことを視覚的にも表現しました。幻術から抜け出せないカブトは、同じシーンを繰り返し見ることになるのですが、繰り返すたびに画面の揺らぎを大きくして、より陥っている感じを表現しています。
ちなみに、ずっとこのシーンの作成をやっていると、実は自分も「イザナミ」にかかっていて、このシーンの作成から抜け出せないのではないかと想像しちゃいました!
<画像6>サスケ&イタチ(穢土転生)VSカブト(仙人モード) 動画
<画像7>カブト(仙人モード)が幻術にかかったことを表現した画面の揺らぎ 動画
さて、まだまだご紹介したいシーンはありますが、今回はここまでとさせて頂きます。
スペシャルダウンロードコンテンツの「断章・真伝 うちはの兄弟」は、本当に涙なしにはプレイできない内容になっています!このスペシャルダウンロードコンテンツは、『トリロジー』にも含まれていますので、是非、うちは兄弟の最後の物語を実際にプレイしてみてください!
ありがとうございました!